前処理に付いてのインサイトの考え方

還元(パーマネント・縮毛矯正・デジ系)の前処理に付いては、その目的として

[1]パーマネントウェーブ(ヘアカラー)による毛髪の損傷を防止
[2]ウエーブの形成(還元度合い)を均一にする
[3]パーマネントのかかりにくい毛髪(還元しにくい)、あるいはその部位をかかりやすくする
[4]加齢に伴う毛髪粗鬆症(間充物質の減少によって毛髪内部の密度が低下・毛表皮の加齢ダメージ等)の改善

これらの目的が考えられますが、第一義的には還元剤によるアミノ酸や脂質等の間充物質の流出防止とその補充が考えられます。
還元剤だけでなく、酸化剤によってもそれらの流出による毛髪の損傷が起こります。

アミノ酸PPT、脂質、多糖類、保湿剤等による前処理剤は、還元前あるいは還元後に毛髪内部へ浸透・吸着し、損傷部位あるいは損傷しやすい部分を保護する事が主な目的となります。

中間処理、後処理によってもアミノ酸PPT、脂質、多糖類、保湿剤等などは補充できますが、還元が始まる前から、ある程度の前処理による毛髪間中物質の流出防止によって、仮に中間処理、後処理の補修有効成分の添加量を減らしても、毛髪のダメージを防ぐ事ができ、仕上がりの感触の良好化・向上化と特にそれらの持続性を上げる有効な方法ではないかと思います。

理美容化粧品メーカーによっても考え方はまちまちですが、パーマネントウエーブ溶剤、カーリング料の製造上、それらの原料を配合するのは上記の目的ではないかと思います。

還元剤の減力は「水」もしくは「pH調整」等でも可能ですが、還元力を落とした施術でも、間充物質は流出しますので、それらの補給はやはり必要でしょう。
間充物質の流出を防ぎ、また補充する事で、過膨潤防止、乾燥防止、感触良好化(つや手触り感UP)を目指して頂きたいと思います。

カラー施術に付いても同様です。

また、殆どのお客様の毛髪にはヘアカラーが施されており、多かれ少なかれダメージを持った毛になります。
間充物質が流失した毛髪は毛髪内に隙間を持つ事から、細くなりやすく、潰れやすく、いびつな形にないやすいことから、均一な光の反射も行われにくくなります。
結果、仮にツヤが出ていても、人の目ではツヤ感を確認する事が難しくなると思われます。
内部に補修的な物質を充填し、毛髪密度を上げて、径を崩さず、強度を持たせ、充填物質を流失させないように高分子による皮膜を毛髪表面に作り上げることが、総合的に見て重要ではないかと思われます。

また加齢(おおよそ40歳代から)によって髪質が変わってくることは、殆どの理美容師さんが感じていらっしゃると思いますが、クリープの効き悪かったり、リッジに勢いが無くなったり、パーマがダレやすかったり、ツヤが出にくくなったり、毛髪が軽くなったり.....

加齢に伴う毛髪粗鬆(造語)により、毛髪密度が減少する事で、髪がゆがみやすくなったり、光を綺麗に反射しなくる事でツヤも失せてしまいます。
若い方の毛髪は無理も効くと思いますが、年齢を重ねた毛髪は、なかなかそうも行きませんね。


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